秋晴れの空が広がった9月27日(日)に、東静岡アート&スポーツ/ヒロバで、占部史人さんのアーティストトークを開催しました。
参加者およそ30人ほど、なかには、東京や愛知から来ていただいた美術関係者の方もいて、占部さんの注目度の高さを感じました。
ヒロバにあるコンテナの周りにお集まりいただき、トークが始まりました。
作品の前で、占部さんに制作背景やモチーフの解説をしていただいている様子です。
今回の展覧会、『箱の生活』“Life in the Boxes”は、コロナ禍の自粛期間中から構想が始まりました。
着想のもととなったのは、アメリカの作家、H.D.ソローの『森の生活』です。
占部さんは、森の中にこもる生活をしたソローと自身の姿を重ね、ソローが過ごした森の中の小屋のイメージを描きました。
また、壁面には古紙のコラージュが加えられ、その上からクピド(キューピッド)や車、壺などのモチーフがいくつも描かれました。
占部さんは大学で彫刻を学びましたが、今回のように絵も制作しています。
ご本人曰く、「絵も彫刻のようなもの」として、両者の間にとりわけ隔たりがないようです。
コンテナ内のギャラリーへ移動すると、占部さんの世界観がさらに広がります。
占部さんがこれまでつくってきた作品たち。今回、それらに新たに“箱”をつくって、ともに展示されました。
占部さんは、ブリキ板や流木など拾ったものを素材にすることが多いといいます。拾い集めた素材は、自身が関わることができない過去の時間をまとっていることが魅力だとのこと。そのように考えると、これらの作品や箱に無限の潜在性を感じられるかもしれません。
もうひとつのコンテナでは、静岡大学の学生5人と東京藝術大学の学生8人による箱をテーマとした展示、『箱の生活+』“Life in the Boxes Plus”が行われました。
トークの後半には、出品した3人の学生も参加し、作品を制作した感想などを話していただきました。箱とはそもそも何なのか、そうした概念的なことまで議論したそうです。
その結果、個性的ないろんな作品が完成しました。
今回の占部さんと学生たちのトークは、作品が制作される過程や、作品に対する思いが伝わる充実した内容になりました。
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めぐるりアート静岡では参加作家のアーティストトークを予定しています。
どれも予約不要、参加費無料ですので、お気軽にご参加ください。
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アーティストトーク