ダイナミックな形態、多用される原色、不可思議な素材の組み合わせ。その独創的かつ奇抜な作品の数々はどのように生み出されたのでしょうか。
現在、東静岡アート&スポーツ/ヒロバに設置されている2カ所のコンテナ内には福井揚さんの作品が展示されています。
10月24日(土)午後より、日差しが強いと感じるほどの快晴のなか、コンテナを背景に福井さんのアーティストトークが始まりました。
高校卒業後、語学を学ぶためアメリカへ渡った福井さん。渡米して美術と出会い作家活動を始め、数年前に日本へ帰国し富士山のふもとである裾野市へ引っ越したと言います。住居の変化も作品に影響しているようです。
初めて福井さんの作品を拝見したとき、まるで命を吹き込んでいるかのようだと感じました。それは福井さんご自身が私たちを取り巻いている自然に対してキャラクター性を感じ、ご本人の言葉を借りるなら「キャラクターを与えている」からなのですね。
正直、初めは少し不気味な印象を受けましたが、見慣れてくると愛らしく思えてきます。
「例えば聖書のお話は比喩であることが多い、僕の作品もそうです。」
一見ポップで親しみやすい作品のように思えますが、よく観察すると発見がたくさんあります。一つ一つの素材には馴染みのあるものでも、組み合わさると別のものに見えてきたり、何かを象徴しているように見えたり…。と思いきや、実はそこに意図はなかったり。(笑)
福井さんの制作に対する遊び心に、見た人は良い意味で翻弄されてしまうこと間違いなしです…!
ゴールを決めずにひらめきを大切にしているという制作過程からは、福井さんのチャレンジ精神そして童心が根源にあるのだと感じました。はつらつと楽しそうに作品について語る福井さん、アーティストご本人の人柄や人生観が垣間見えるのもアーティストトークならではの良さですね。
最後に、トーク中とても印象に残っている福井さんの言葉を引用させていただきます。
「自由に作品を見てもらって、いろんなお話を作ってもらいたい。お客さんに作品との関係性を委ねたい。」
是非、福井さんの生み出した未知なる作品との遭遇そして関係作りを、会場にて楽しんでいただければと思います。
文:樋口加奈(めぐるりアート静岡サポートスタッフ/静岡大学地域創造学環4年)
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