「新人Hソケリッサ!」ダンス公演『日々荒野』大盛況!(10/31,11/1)

11月1日(日)晴空の気持ちよい中、東静岡アート&スポーツ/ヒロバで計3公演を終えたアオキ裕キさんのアーティストトークが始まりました。
新人Hソケリッサ!の皆さん、ミュージシャンの丸山さんと原口さんもトークに加わり、賑やかな光景です。

トークの様子

めぐるりアート静岡での公演に際して、パフォーマンスをする場所がヒロバであったこと、そして静岡のミュージシャンお2人とのコラボはアオキさん含めダンサーの皆さんにとって印象深かったようです。
今回の公演にあたり「石ころから見た世界」をテーマに作曲を依頼されたという、心癒される歌声とギターが魅力的だった丸山さん。
もともと『日々荒野』という作品は、東池袋中央公園で生み出された作品でした。
パフォーマンスが行われた東静岡アート&スポーツ/ヒロバとは“高層建築に取り囲まれている公園”という共通点があるものの、地面がアスファルトではなく芝生だったことは身体感覚の大きな違いもあったのではないでしょうか。
力強く太鼓の音を轟かせていた原口さんは、「様子を注意深く見ていないと、その都度動きのタイミングが違うので合わせられない。笑」と朗らかに感想を述べていました。
お2人の演奏、そして今回公演の場であったヒロバは、「新人Hソケリッサ!『日々荒野』」との親和性が非常に高かったように思います。

夜パフォーマンスの様子

「腕時計を付けたままパフォーマンスをしていたことが、日常との地続きであることを示しているかのようで印象的でした。」
キュレーターである柚木さんの本質的な指摘に、ハッとさせられた方も多かったのではないでしょうか。
踊る彼らにとって身体や所作はあくまで“日常”の延長線上にあり、アオキさんがありのままにその部分を受け入れダンスとして活かしていたことに改めて気付かされます。

またアオキさんは本作品『日々荒野』の制作に込めた想いを、次のように語っていました。
「制作場所の公園を歩いていた時、ふと足元の石ころから見たら世の中は『日々荒野』が続いているようなものではないかと思ったんです。人間の営みは築き上げてきたものが崩れ去ることを繰り返す、本当に価値のあるものは少ないんじゃないかなって。」
その捉え方や示すテーマはどこか人生を達観視した啓示のようでもあり、仏教の教えである「諸行無常/盛者必衰」の考えに通じるものがあると感じました。

以前拝見した、新人Hソケリッサ!のドキュメンタリー映画「ダンシングホームレス」の感想をお伝えした時に、「表層的な成功しているように見える部分だけを見て欲しい訳じゃないんです。たくさん失敗して、試行錯誤を繰り返していけばいいと思うんですよね。」と仰っていたアオキさんのコメントと根底の部分に共通しているものがあるように思えます。

夜、終演時の様子

めぐるりアート静岡2020での上演は終わりとなりましたが、アオキさんや新人Hソケリッサ!の活動は日々続きます。
今後もこの活動の認知が広まっていくこと、また彼らのパフォーマンスを通じて、一人でも多くの方がご自身の日常や生きることへと向き合うきっかけになる時間を過ごせるよう願っております。

樋口加奈(めぐるりアート静岡サポートスタッフ/静岡大学地域創造学環4年)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です