写真展、「長船恒利、杉村孝の『石庭』を撮る。」開催!

「めぐるりアート静岡 2020」は、11月8日に閉幕しましたが、今週末の11月14日より関連イベントとして「長船恒利、杉村孝の『石庭』を撮る。」を開催します。

写真家の長船恒利さんは代表作『在るもの』によって、没後10年を経てなお若い世代に影響を与えつづけています。
1980年代以降、音のパフォーマンス、コンピュータアートでマルチな才能を発揮し、また静岡を拠点とした数々のアートプロジェクトに中心メンバーとして関わりました。同時代のアートにも鋭敏な眼差しを向け、その記録に力を注ぎました。
この度、長船さんの残したネガフィルムの中から、藤枝市在住の石彫家・杉村孝さんによる「石庭」を撮した写真群が見いだされました。それら貴重なネガフィルムを、長船さんの作品を熟知した写真家の遠藤幸廣さんにデジタル化していただき、プリントしていただくことができました。
全て1983年に撮影されたもので、37年の時を越えて、今、長船さんの写真が鮮やかに蘇りました。

石彫家・杉村孝さんの作品は、静岡市や藤枝市そして周辺の志太圏域に広く散在しています。京都の南禅寺塔頭牧護庵の《108体わらべ地蔵の庭》や三千院苔庭に散在する《わらべ像》を想い起こす人も少なくないでしょう。静岡市内の作品を挙げれば、静岡県立美術館の彫刻プロムナードの《しゃぐじんシリーズによる》、駿府城公園中堀に面した《石曳きの詩》、そしてかつて天神屋本社前に設置されていた《感動の碑》を挙げることができるでしょう。また、本展第2会場であるサールナートホール内庭にも《Sumeru(須弥山)》が置かれ、隣接する宝泰寺の境内には40体の《わらべ地蔵》が遊んでいます。サールナートホール会場では、長船氏による写真と合わせ、杉村作の《Sumeru》そして宝泰寺の《わらべ地蔵》をご覧いただければ幸いです。

展示内容ですが、第1会場の東静岡アート&スポーツ/ヒロバのコンテナギャラリーでは、飽波神社《湧霊の庭》、大井神社《しゃぐじん》、瀬戸ノ谷紺屋村《地蔵の場》など、民俗の信仰と深い繋がりをもつ杉村の「石」をめぐる作品の写真を展示します。
また第2会場のサールナートホールの喫茶コーナーには、藤枝・長楽寺の石庭「六道の庭」や藤枝・東国寺の「牧球の庭」を撮した写真が展示されます。

文・白井嘉尚

会期:2020年11月14日(土)~11月29日(日)
会場:東静岡アート&スポーツ/ヒロバ コンテナギャラリー(土日のみ)
   サールナートホール 喫茶コーナー(会期中無休)
主催:静岡市
共催:サールナートホール
問合せ:(公財)静岡市文化振興財団 (054-255-4746)(平日 8:30 ~ 17:30)
参加費:無料

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