堀園実ワークショップ開催しました。

三連休最終日の11/4、静岡県立美術館の開館と同時刻に、美術館の一室では親子連れや大学生、老若男女様々な人が集まっていました。そこで行われていたのはアーティスト堀園実さん(画像左)のワークショップ&アーティストトーク。見る、聞く、つくる体験をテーマに一つの作品を心ゆくまで堪能できるものでした!

今回のワークショップは、めぐるりアート静岡開催期間中に静岡県立美術館に展示されている堀さんの波打ち際の協和音という作品を作る際に堀さんが実際に使った型を使用して、粘土で小石を制作してみようというもの。そしてその自分の作った作品を堀さんの作品の中に置いて作品に参加することが出来るという事で、参加者の方はより一層やる気が入っていました!



アーティストトークでは、実際に堀さんの作った作品を囲み鑑賞していました。


立って見るのと座ってみるのとでは見え方が違うとのことで、参加者の方は次々と座り一味違った作品の雰囲気を体感
!座って見てみるとより迫力や生々しさを感じました!

「作品が無くなってしまうことにジレンマを感じていました。」と、作品と対峙しながら堀さんがこの作品を作るに至った経緯を紹介。学生時代に作った彫刻作品を大学を出る際に壊さなくてはならなくなったことについて語った堀さん。その後、フランス留学へ旅立った際、手荷物を少なくしようとしたことから現在の「型を作る」方法に行き着いたそう。



「海岸を歩いていると、たくさんの種類の石が落ちているじゃないですか。でもよく見るとそれってもとは1つの石だったんじゃないかって思ったんです。」

石や木というものの違いを私たちは見れば感じ取ることが出来るが、粘土という1つの素材で作ればその違いという「境界」はなくなるのではないか、ということをテーマにしてこの作品は作られている。そう語る堀さんの話を参加者の方々は食い入るように聴いていました。中には枠いっぱいにメモを取る男の子の姿も!!!

アーティストトークを終え場所を移動し再びワークショップへ。

先程の話に惹かれて飛び入りの参加者加わったところで、今回の制作方法を説明。

堀さんが使用した型は半分に分かれており、両側に粘土を詰めてから接着して取り外すというもの。参加者の方々は、ずらりと並べられた型を前に自分の気に入った型を選んで楽しそうに席に着きます。中には沢山ありすぎてじっくりと考えて選ぶお子さんの姿も


お気に入りの型を選んだら、机の真ん中に置いてある粘土をヘラで切り取りこねていきます。久々に粘土を触ってドキドキしている人や、おばあちゃんに手伝って貰いながら粘土こねる小さい女の子などそれぞれが思い思いに制作を進めていきます!

 

こねた粘土はちぎって型の中へ。みなさん真剣な目で繊細な作業に取り組んでいました!堀さんも参加者の方の制作の様子を見ながら、笑顔で教えていました。


型の種類は指でつまめるサイズの石を作れるものから、手のひらサイズまで多種多様。いきなり大きいサイズに挑戦し悪戦苦闘しながらもボリューム感のある石を作る人の姿も見受けられました!



型に上手く粘土を入れられたらドベと呼ばれる粘土の接着剤を両側に塗って接着!

「くっつくのを待つ間にもう1つ作ってみよう」と促すと、小さな女の子が一目散に型選びへ2個目ということもあり先程よりも慎重に、自分の理想の形を求めて熟考していました!


少し時間が経ったら、1個目の石型をオープン!

なかなか上手く取れずにいる人も完成系を見て思わず笑顔に。写真の女の子は作品が形を見せた時に「できたよ!」と嬉しそうに皆に見せてくれました!

作品が完成したら、いざ堀さんの作品の元へ。

 
それぞれ自分の作った作品と堀さんの作品を交互に見比べながらどこに置くのがいいかと思案していました。他の作品に馴染むように置く人やあえて遠くに置いてみる人、中には石積みをはじめている子も!

堀さん自身も、「自分がやらないような置き方をしていて面白い」と作品の新たな価値を感じていました。

 
めぐるりアート静岡2019も残すところ後1週間を切りました。会期中に行われた様々なイベントやワークショップによってどんどん変化を見せるこのアート展。11/10()までの残りの開催期間、まだ足を運んでいない開催場所や、もう一度みたい作品等、この機会にしか見ることの出来ない静岡のアートを是非自分の目で、自分の足で体感してみてください!

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