野外ダンス劇「近すぎて聴こえない」稽古風景01

投稿 2019年 10月 5日(土)

本日は野外ダンス劇「近すぎて聴こえない」の第2回目の稽古日。本番まで2週間。時間は少ないけど、ベストを尽くすために今日も怪我に注意しながら稽古に励みます。

今回の様子はまたお伝えしますが、ひとまず、初回の稽古の様子をお伝えします。

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野外ダンス劇「近すぎて聴こえない」の第1回目の稽古を行いました。
参加者17名が勢ぞろい。オーディションから一人も抜けることなく参加頂けることになり、主催者としてとても嬉しい思いです。

さて、ウォームアップからペアワーク、グループワークを経て、後半はいよいよ振りを与えられます。ただし熊谷氏の要求は踊りにならないでということ。踊りなのに踊らないでという禅問答のような指示ですが、それはたとえれば日常にある「所作」のように身体を動かしてほしいということなのかなと感じました。特別の身体から生じる特別な動きではなく、誰しもが持っている身体から生じる何気なくも意味ある所作/振る舞い。

舞台というのは表現の場です。そこに立つ人は何かを表現するためにそこにいる。しかし表現したとしても、それを受け取る観客がいなければ、一般的にはその意味をなしません。また表現の受け手がいたとしても、能動的な関わりがなければ、その場は十全には機能していないことになるでしょう。

熊谷氏が特別な動きを求めずに意味ある所作を求めるのは、この受け手の能動的な関わりを生み出すためのアプローチのように感じます。人ごとのSpectacle(見世物)ではなく、私なりのBehavior(振る舞い)への共感。これをコンセプトとして、日常の振る舞いを改めて舞台(Spectacle)に乗せるために生み出したのが「ダンス劇」なのかもしれません。

今回は熊谷氏と共に17名のダンサーが、野外の広い芝生公園という舞台でその表現に挑みます。目指すところは見世物ではなく、振る舞いを見せること。それにより観客は私ごととして目の前で起こることを多様に受け取ることが出来るでしょう。もちろんこれはとても高い要求です。振りを与えられることで日常の身体ではなくなってしまい、何気ない振る舞いから遠ざかってしまうのですから。それでもこの矛盾した状態に一定の答えを出すために頭で考え、身体を使い何度も振りを繰り返していきます。

さて、本番は10月26日、27日。それほど時間もありません。皆でどこまで「表現」を高めていけるのか。旅は続きます。

テキスト:柚木(担当キュレーター)


めぐるりアート静岡2019 参加作品
野外ダンス劇『近すぎて聴こえない』
振付・演出・出演:熊谷拓明
音楽:佐々木ゆうき(ギター、ヴォーカル)、永見寿久(ベース)、佐久麻誠一(ドラム)
出演:熊谷拓明、一般公募ダンサー(秋山実優、池上楓子、石川紗由佳、泉健斗、大塚紀久子、小林玲子、佐野恭司、嶋村彩、杉山麻未、高澤利衣、ダディ、田中彩、日原奈緒花、宮悠介、mari、簗瀬昌哉、吉田理理子)
日時:10/26(土) 14:00、27日(日) 11:00、14:00(全3公演)
場所:東静岡アート&スポーツ/ヒロバ
入場無料・予約不要

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