野外ダンス劇「近すぎて聴こえない」稽古風景02

投稿 2019年 10月 18日(金)

展覧会全体のスタートは10月22日(火)からですが、一足先に東静岡アート&スポーツ/ヒロバ会場の展示は明日から始まります。この会場で来週25日(土)と26日(日)にお披露目するのが展覧会参加アーティストでダンサー、振付家の熊谷拓明演出の野外ダンス劇「近すぎて聞こえない」です。

公募した市民ダンサー17名と共に現在稽古真っ最中。短い稽古期間なのですが、参加者の取り組む姿勢は本当に素晴らしく、熊谷氏の振り付けを一生懸命に自らのものとしようと稽古に励んでいます。担当者としても、本番が楽しみで仕方ありません。

熊谷氏がダンス劇を創作するにあたって、メンバーにとくに注意しているのは、大げさにならないでということ。もっと言えば「踊らない」でということ。特権的な身体による特別な踊り(スペクタクル)を目指すのではなく、日常の身体から生じる振る舞いこそが、ダンス劇のベースとなるように感じます。

稽古が進み、それぞれに振りを付けていきます。群舞になったり、ソロになったり、ペアになったりとその様子を見ていて面白かったのは、脈絡のないように見える集団がそれぞれの振りで踊っているにも関わらず、ひとつのまとまりを形成していたように感じたこと。そのまとまりから生活圏という言葉が浮かびました。つまり私たちの日常です。皆がそれぞれ自分のことをしているのだけど、そこには動的平衡があり、上手に関係しながら日々を過ごしている私たちの毎日を見ているようでした。その有様をより自然により美的(ここでの美とは重層的で多様なものを指しています)に見せること。熊谷さんが目指していることはそのようなことかもしれません。

さて、明日は最後の稽古です。
怪我なく本番を迎えられるように皆で精進していきます。
どうぞ10/25、26の公演を楽しみにしてください。

テキスト:柚木(担当キュレーター)

めぐるりアート静岡2019 参加作品
野外ダンス劇『近すぎて聴こえない』
脚本・振付・演出:熊谷拓明(ダンサー、ダンス劇作家)
音楽:佐々木ゆうき(ギター、ヴォーカル)、永見寿久(ベース)、佐久麻誠一(ドラム)
出演:熊谷拓明、公募ダンサー(秋山実優、池上楓子、石川紗由佳、泉健斗、大塚紀久子、小林玲子、佐野恭司、嶋村彩、杉山麻未、高澤利衣、ダディ、田中彩、日原奈緒花、宮悠介、mari、簗瀬昌哉、吉田理理子)
日時:10/26(土) 14:00、27日(日) 11:00、14:00(全3公演)
場所:東静岡アート&スポーツ/ヒロバ
入場無料・予約不要

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