2018-11-11

11月10日・11日、白砂勝敏さんライブ開催されました/ヒロバ

11月10日(土)、11日(日)にヒロバにて開催されました、2つのライブの模様をお届け!

まずは10日に行われた白砂勝敏(かつとし)さんの、ディジュリドゥ・ソロライブ。

ディジュリデゥはオーストラリアの先住民アボリジニに伝わる民族楽器。

通常はシロアリに食べられ筒状になったユーカリの木から作られているといいます。

今回の白砂さんの展示では、木だけでなく竹や陶器で作られた様々なディジュをご覧になることが出来ました。

まず登場した木製のディジュ。

こちらは材料となる木材を一度真っ二つにして、内側をくり抜いた後もう一度くっつけて作られているのだそう。

くり抜き方によって音の出やすさが違ってくるらしく、白砂さんの作るディジュはかなり音を出しやすく作られているそうです。

ディジュの吹き方は独特で、鼻から吸って口から息を出す、「循環呼吸」という吹き方が用いられ、そうすることで息継ぎによって音が途切れることなしに、音を出し続けることが出来るとのこと。

 

またこちらは別の木製のディジュ。

座っている椅子のようなものも、実はカホンと呼ばれるペルーの楽器。

叩く箇所によって様々な音が鳴るように調整されており、さらにディジュを吹きながら同時にカホンを鳴らすことで、ソロでの演奏とは思えない迫力ある音の重なりがヒロバへと響き渡りました。

さらにはルーパーと呼ばれる機器を用いて、即興で録音した音をその場で繰り返し流すというワザも披露。

様々な楽器で奏でた多彩なリズムを繰り返しその場で次々と重ねて行くことで、徐々に変化していく音の様子を目と耳で楽しむことが出来、さらに厚みの増した演奏を味わうことが出来ました。

他にもこんな変わり種も。

この真っ黒い筒ですが、実は先日の台風で海岸にたくさん流れ着いていたという水道管らしきモノ!

何でも楽器に変えてしまう白砂さんの手によって、これも立派なディジュリドゥに!

予想外のモノが楽器として飛び出してくるのも、白砂さんの演奏の楽しいところ。

そしてこの日は、特別ゲストが登場。

白砂さんの演奏に合わせて素晴らしいダンスを披露してくださったこちらの方は、ダンサーのMARIさん。

実はおふたりはこれで会うのが2回目。

この日も元々出演する予定ではなかったそうですが、前回白砂さんの展示を見に来てそこで即興で演奏に合わせて踊ったことをきっかけに、本日も皆様の前でダンスを披露して下さいました。

MARIさんのダンスはコンテンポラリーダンスと呼ばれるもので、予め決まった振り付けを踊るのではなくその場合の状況や会場の雰囲気などに合わせて即興で踊られるもの。

この日もまずは白砂さんの演奏をじっくりと聞いてイメージを整え、いざ踊り出すと様々な緩急のある動きを、急に走り出す・立ち止まって佇んでみるなどの変化を含めながら披露してみせ、皆様の目を楽しませて下さいました。

 

こうして1日目も大盛況に終わり、そして翌11日、めぐるりアート2018の最終日。

この日、ライブが始まった会場を見回してみると…。

見渡す限りの、人・人・人!!!!!

なんと150名近くの皆さまが、この日のライブへと足を運んで下さるというトンデモナイ事態に!!!

その顔ぶれも実に多彩で、多くの方が白砂さんの演奏をぜひ一度耳にしたいという思いで集まってくださったことが、表情からもひしひしと伝わってきました。

予想を超える大盛り上がりの中、さぁいよいよライブ開始です!!!

この日のライブは、白砂勝敏さん(ディジュ)× KAERUさん(カリンバ)による、“宇宙の記憶”ライブ!!!

白砂さんのご友人であるKAERUさんも、ご自分で楽器を作って各地で演奏をなさっている方。

演奏に用いた「カリンバ」と呼ばれる親指ピアノももちろん手作り。

カリンバは通常、金属の棒を弾いて音を鳴らすのですが、KAERUさんのカリンバはその部分が竹で作られていて、やさしい音を響かせることが出来ます。

 

白砂さんもすっかりお馴染みになったディジュを取り出して、ふたりの演奏がスタート。

KAERUさんはカリンバだけでなく、インディアンフルートと呼ばれる笛も演奏。

白砂さんの重厚な、地を這うようなディジュの響きと、透き通るインディアンフルートの響きとが美しく混ざり合い、素晴らしい音色がヒロバに集まった人々を楽しませてくれます。

さらにKAERUさんは歌声も披露。

白砂さんは富士宮市の芝川にある、築150年の古民家に住んでいるそうですが、KAERUさんの住む古民家も築およそ100年!

食料も楽器も自給自足、というおふたりの生活ですが、畑を耕しながら家族と楽しく暮らしていく、そんな生活を歌った歌が、よく晴れたヒロバに気持ちよく響きます。

そして、出ました!!

白砂さんのライブと言ったらコレ!!!

小気味よく続けられるおふたりの演奏に合わせて、思わず踊りだす観客がこの日も!

ただでさえ賑やかなこの日の会場が、さらに一段と華やかに。

こうして1時間に渡るこの日のおふたりのライブも、あっという間に終わりのときを迎え、その後は楽しんでくださった皆様がおふたりの元へと大勢詰めかけ、様々なお話を交わしたり、多彩な楽器に触れるのを楽しんでいきました。

このように大盛況のなか、クロージングを迎えた今年度のめぐるりアート静岡。

毎週末ごとにたくさんのイベントが開かれ、多くの皆様がより深く楽しんで作品をご覧になってくださったことと思います。

全体の会期は無事終了となりましたが、静岡市美術館を会場とした、彫刻家・杉山功(いさお)さんの展示は、引き続き25日(日)まで行われております。

最終日にはアーティストトークも予定されておりますので、今年のめぐるりアート静岡を、どうぞ皆様最後までお楽しみください!

(文・吉村)

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[ 杉山功さん アーティストトーク ]

日時:2018年11月25日(日) 14:00 ~ 14:40
場所:静岡市美術館
入場無料 / 申込不要

[ 展示会場 ]
静岡市美術館 Google Map
〒420-0852 静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3F
Tel:054-273-1515
開館時間:10:00 – 19:00
休館日:月曜日
JR「静岡駅」北口より徒歩3分

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