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野外ダンス劇『近すぎて聴こえない』ワークショップ(兼オーディション)を開催

野外ダンス劇『近すぎて聴こえない』ワークショップ(兼オーディション)を開催しました。 募集人数を少し超える17名の応募者があり、本当に有難い限り。遠くは茨城県や東京からの参加者もあり、熊谷作品に参加してみたいという並々ならぬ意気込みを感じます。

オーディションと名付けてはいたものの、基本的には応募者は皆採用のつもりでした。というよりも応募者がこのワークショップ(兼オーディション)に参加することによって、それぞれが自らの挑戦したいことが出来るのかを確認して頂くと言ったほうが適切でしょうか。短い練習時間で本番を迎えるため、本当に挑戦したい人だけでチームを組むことが大切です。ダンスとダンス劇の違いを感じて頂き、納得いく形で参加してもらうというのがこのワークショップのひとつの目的でもありました。



熊谷氏のメソッドに従い、2時間みっちりの稽古はとても充実したものになったと思います。参加者の皆さんにとっても気づきの多いワークだったでしょう。技を覚えるというようなことではなく、どのように相手とコミュニケーションをとるかということを考え抜いた2時間でした。同時に表現とは何かを深く考えさせられたと思います。

舞台を創るということは、何かを表現するということですが、熊谷氏は表現しようとする意欲が間違って表出されることを徹底的に避けることに注意を払っていることが見て取れました。オーバーな感情表現は必要なし。そのようなことをしなくても、しっかり感情が伝わることを知る。表現をゼロポイントに戻し、そこからもう一度、必要な表現を積み重ねていく。そんなワークだったのだと思います。





みなさん真剣に熊谷氏の言葉に耳を傾けては、トライを繰り返しました。言葉では理解しても身体はすぐには言うことを聞きません。最小な動きで、最大の効果を出すという矛盾するようなことに取り組むのですから無理もないでしょう。それでも熊谷氏のそのようなダンス哲学に呼応しようと汗を流す姿からは、改めてみなさんの意気込みが感じられて、本当に嬉しく思いました。

ワークショップの最後は即興で熊谷氏と今回アシスタントを務めてくれたダンサー遠藤さんのデモンストレーションがありました。そこに飛び入りで今回音楽を担当する佐々木氏がヴォイス(アカペラ的な声)で加わり、とても素敵なアンサンブルを展開。皆、その様子を固唾を飲んで見入ってしまいました。その姿に自らを重ね、本番へのイメージを膨らましたのではないかと思います。こうしてこの先の展開と可能性にワクワクし、オーディションという名のワークショップは終了しました。参加して頂いた皆様には本当に感謝いたします。



さて、これから10月26(土)、27(日)の公演に向けて4回の稽古を重ねて行きます。短い期間ですが、よりよい内容となるように皆でひとつになってクリエーションに励んでいこうと思います。稽古の様子もお伝えして行きますので、どうぞ楽しみにして頂ければと思います。ご期待ください。
(テキスト:担当キュレーター柚木)

めぐるりアート静岡2019 参加作品
野外ダンス劇『近すぎて聴こえない』
振付・演出・出演:熊谷拓明
音楽:佐々木優樹(ギターリスト、作曲家)ほか
出演:熊谷拓明、一般公募ダンサー
日時:10/26(土) 14:00、27日(日) 11:00、14:00(全3公演)
場所:東静岡アート&スポーツ/ヒロバ
入場無料

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