めぐるり閉幕。《TOPOS 〜記憶の風景〜》も解体されました。

今年の「めぐるり」、最初の1週間は悪天候に見舞われましたが、その後の2週間は爽やかな秋晴れが続き、11月10日の閉幕を迎えることができました。
一夜明け、今日のヒロバでは、その中心に設置されていた御宿至さんの作品《TOPOS ~記憶の風景~》の撤去作業が行われました。

伸栄建設さんとクレーンの上坂さんによる作業は朝8時開始ということで、8時15分頃にヒロバに行くと、青空の下、すでにクレーン車が稼働し、伸栄建設の皆さんが作業を始めていました。
作業を見守る御宿さんの傍らに立っていたのは、直木賞作家の安部龍太郎氏。
二人は1994年の東京のフジタヴァンテ・ミュージアムで開催された御宿さんの個展で出会い、25年余にわたり親交を重ねてこられました。
超多忙な安部さんですが、例年、富士宮市の西山本門寺で行われる信長公供養祭「信長公 黄葉まつり」に奉賛会の会長として参加されていて、その「まつり」が、めぐるり最終日の昨日に行われたそうです。
信長公の供養祭がなぜ富士宮で? それは、西山本門寺にその首塚があり、埋葬伝説があるとのことでした。昨夜、芝川に投宿した安部さんを、御宿さんが富士宮の自宅から車で迎えに行き、ようよう明るくなってきた朝7時にヒロバに到着。朝日に映える、解体前の御宿作品を目に収めてくださいました。

しばらく《TOPOS》の余韻に浸った後、安部さんは駿府城天守台の発掘現場を見たいということで、10時半ころヒロバを後にされました。

青空の下、熟練の職人さん達の手で、解体作業は順調にすすんでゆきます。
午前中には、中央にそびえていたH鋼の立方体も全て解体され、両翼の構築物も分解され、種類別に仕分け作業が進められてゆきました。

午後になると、資材をトラックで運び出す作業が始まりました。すべての材料が重厚長大なので、クレーンを使っての積み込みもおおごと。また、ヒロバと二つの会社の資材置き場とをトラックで何往復もし、なかなか時間がかかります。

午後2時半ころから雨が降り出し、一時は本降りになりましたが、その間も、職人さん達は粛々と作業を進め、午後4時過ぎには、ほぼすべての資材の撤去が終わりました。

いつの間にか雨がやみ、東の空には、大きな虹が、、、。

協賛いただいた伸栄建設の皆さま、協力いただいた株式会社上坂の皆さま、本当にお世話になりました。

御宿さん、ヒロバに新たな「記憶の風景」を出現してくださいまして、ありがとうございました。

文:白井嘉尚

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