2019-01-07

千葉広一さん展示関連イベント「ご降誕ライブ『ここにいる』」、多くの皆様がご来場くださいました!

会期中の展示はもちろんのこと、多くの関連イベントで年間を通して賑わった昨年のめぐるりアート静岡。

昨年末には、東静岡アート&スポーツ/ヒロバにて、千葉広一(こういち)さんのクリスマス展示「在り処」が開催。

最終日には、千葉さんの勤務する学校の先生おふたりによる「ご降誕ライブ『ここにいる』」が開催され、多くの皆様が会場を訪れました。

めぐるり会期中には、ヒロバに設置された車掌車ギャラリーの内と外を使ったインスタレーション作品《車窓》《いつか》を展示した千葉さん。

今回はクリスマス展示に合わせ、それらに若干のアレンジを加えての公開になりましたが、会期中と大きく異なったのは、車掌車のそばに設置された「10代を生きる者の美術館 あるいは 祈りの場」の再現のかたちです。

11月のアーティストトークに合わせての設置では、当時2棟あった小屋のうちのひとつの再現となっておりましたが、今回はよりオリジナルのかたちに近付けて、2棟ともにの復元となりました。

  

これらは2016年1月、千葉さんが勤務する高校の生徒さんと共に、長野県美ヶ原の雪原に設置したもの。

11月のトークの際には、千葉さんにとって大きな意味を持つこととなったその体験のお話を伺うことが出来ましたが、前回の再現時はもちろん、今回の再現でも当時その活動に関わった卒業生の皆さんが設営に参加。

そしてクリスマス展示の最終日となった12月27日。

その日開催されたご降誕ライブにも、たくさんの卒業生達が駆け付けてくれました。

 

そんな多くの観客の皆様、そして新しく再現された小屋たちに囲まれ、まだ外の明るい16時半よりライブはスタート!

車掌車前に設置されたステージ上のおふたりが、トビアス志村さん(上 写真・2枚目)とグルビー森田さん(3枚目)。

11月の千葉さんのアーティストトークでも、素晴らしい演奏で会場を訪れた皆様を楽しませて下さいましたが、今回もピッタリと息の合った演奏をご披露!

誰もが聴いたことのあるおなじみの曲のカバーから始まり、クリスマスにちなんだ楽曲や、ご自身で作られたオリジナル曲を、軽快なトークを挟みながら次々と聴かせて下さいます。

その中には千葉さんを思って作られたという楽曲もあり、千葉さんを慕って集まった多くの皆様が演奏に聴き入っていました。

 

段々と辺りが暗くなっていく中、おふたりの演奏は続きます。

車掌車の窓に映し出された映像の風景、会場の周囲に張り巡らされた数々の電飾・・・、

夜の訪れとともにそれらがよりはっきりと際立ち、千葉さんの作り出した空間が、徐々に彩りを変化させていく様子は、まさに美しいの一言。

クリスマスに合わせてアレンジされた、車掌車の窓に映る流れるような映像。

それを背にしての演奏を見ていると、まるで本当に車掌車が走っているような、

自分たちもそれに乗りどこか旅しながら演奏を聴いているような、そんな不思議な感覚に包まれました。  

大盛況のライブが終わると、千葉さんから会場の皆様へとステキな贈り物が。

それは千葉さん特製の、今回の展示のお知らせにも使われていた写真入りのポストカード!

卒業生のお話を伺うと、以前からご自身が作られたポストカードを皆さんにお配りすることも多かったのだとか。

実は今回ふたつの小屋の再現となったのも、前回の再現を見た元教え子さんの「自分が関わった、思い入れのあるもうひとつの小屋も含めた再現を、ぜひ見てみたい!」という声を受けてのことだそう。

「年末のこの時期になると、故郷へと帰省したり、逆に帰ってきた家族を迎え入れたりということが増え、ふるさとを意識する。」という千葉さん。

今回の展示「在り処」では、家や家族というものをイメージし、「人々がふらっと立ち寄れる場所を作りたい、そうすることで、この場所が誰かにとっての心の拠り所になってくれれば」との思いがあったのだと語ります。

 

 

そんな千葉さんの思いの込められた場所に、この日集まった大勢の卒業生の皆さん。

おふたりのライブの終わった後も、千葉さんの準備した手料理を皆で囲んで団欒したり、ギターの演奏に合わせて輪になって歌ったり。

再現された小屋の解体作業もこの日合わせて行われましたが、千葉さんの指揮のもと、皆で力を合わせてテキパキと進行!

楽しそうな笑い声や歌声がいつまでも溢れ、本当にあたたかな空間が、その場所に生まれていることを感じ取ることが出来ました。

 

車掌車の中を覗くと、そこにもたくさんの卒業生の姿が。

思い思いに作品を眺めたり、展示の様子を写真に収めたり、まるでたくさんの人でひしめく駅の待合室のよう。

その表情を見ていると、いつまでもこの場所でこうしていたい、そんな気持ちが、ひしひしと伝わってきます。

 

こうしてクリスマス展示は無事幕を下ろしましたが、ヒロバの、千葉さんの作り出すこの空間に、またたくさんの皆様が訪れてくださる機会が、大変に楽しみです。

2019年のめぐるりアート静岡も、どうぞ皆様、よろしくお願い申し上げます。

(文・吉村)

 

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