アートはとても不思議な営みです。多くの方が、目の前の作品を「意味が分からない」といいます。そして作家は「意味が通じなかった」といいます。私にとって静岡市は、日本でのアート活動を本格的に始めることができた街です。今回のチャンスを得たことで、作家と展覧会を訪れた方々が互いに分かち合い、交流が生まれることを期待しています。そのため、作品だけでは伝えることの難しい、そのベースにある私の思考を、言葉(資料)によって皆さまにお示ししたいと思っています。作品を理解するためのアプローチは一人ひとり異なるでしょうが、創造力を持った人間として互いの理解を分かち合うことで、より多くの発見が得られることを願っています。

Wilfrido S.A. Gonzales/人の森(2011)

〈人の森〉 2011

ゴンザレス作品の特徴は、一筆書きのような人間像によって人の苦悩や喜びを表すことと、素材としてラタン(籐)を用いることである。彼にとって制作とはラタン/自然との対話に他ならない。私たちが、孤独や不安を抱えて生きるとき、ゴンザレスの創りだした人間像は、それに優しくよりそい、伸びやかな精神の波動を周囲に送り出す。

2011 「静岡アートドキュメント」静岡県舞台芸術公園、静岡
2000 個展「ウィリ ゴンザレス展」Gallery sensenci、静岡
1996 個展「お会い出来て嬉しいです展」名古屋市中部電力栄ショールーム、名古屋
1988 個展「SARI-SARING EKSENA NANG KATAWAN SA AKING UTAK」Kulay Diwa Gallery, Parañaque, Philippines
1986 「YOUNG ARTISTS」Cultural Center of the Philippines, Manila, Philippines